ノルウェーでは、漁師の平均年収が900万。国民的あこがれの職業だそうです。その一方、日本の漁師の平均収入は260万円。漁業大国のはずなのに・・・。この差は、どこから来ているのでしょうか?この違いを考察して「高利益の経営」を実現するヒントにしましょう。
ノルウェー漁業と、日本漁業の違い。ここにも「価値経営」がありました。ノルウェーは「価値のある魚」を選んで獲って売り。日本の多くの漁業は「とにかく魚」を獲って、売る。そんなことになっています。
日本で関鯖などの一部のブランド魚と同じようなことを国をあげてやっているのがノルウェーです。
たとえば漁への取り組みが全く違います。日本では、農林水産省の方針もあり魚の漁獲高割り当てが地域全体で決められているそう。地域の漁師さんが競い合ってわれさきにと漁をするので、これをオリンピック方式というそうです。
これだと、解禁になったときにみんなで、争うように、とにかく魚を捕りまくる。多く獲った方が勝ちになるわけです。そうすると、まだ育っていない魚だろうがなんだろうが、おかまいなしにとる。その結果、漁場は枯れ。魚が減る。
でも、翌年も同じなのでさらに育っていない魚を獲ることになる。だから、安い魚しかとれない。しかも、それも枯渇していくのです。
一方、ノルウェーは船ごとに漁獲高が割り当てられるそう。これだと、漁師はどうするか?割り当ての中で、なるべく質のいい魚を獲ろうとする。実際に、魚を獲る網は荒くしてあるもし、幼魚、稚魚がかかっても放流する。
だから、魚は育つ。漁場は枯れない。いい魚のみを狙ってとる。さらに、魚の鮮度をたもつくふうがされている。だから、全般的に、ノルウェーの魚はおいしくて質がいいので高く売れるようになっている。
いろいろ調べると。ノルウェーは国ぐるみで「価値」の高い魚を、育てて、獲って、売る。そういうことをやっているのですね。だから、漁師の年収も3〜4倍になる。「価値経営」の発想をすれば一次産業でも「価値」を売り高利益をえることができる。
状況をしっかり観察してこうしようと決断して「価値」をつくるためのビジネスモデルをつくりあげていく。それがまさにノルウェーの漁師の平均年収900万円日本の漁師の平均年収260万円の差を生み出しているのです。
世界で喜ばれて、高く買ってもらえる仕事をするか?不安をもちながら必死で毎年、高く売れない仕事をし続けるか?どちらがいいでしょうか?その差は、ちょっとした目の付けどころと実行するかどうか?その違いにすぎません。
荻野功一朗