■いい広告
(キャッチフレーズ)
真価は下げ相場で問われる。
日本初の株式アドバイスセンター。
株式アドバイスセンター
広告主:日興コーディアルセンター
掲載媒体:2005/12/20 日経新聞 朝刊
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このキャッチ、あえて不利な本当のことを言ってしまっていますね。参
考にボディコピー(本文)の見出しも見てみましょう。
その中に「ご納得のうえで損していただくことも。」と書いてあります。
その本文には、下手すれば実もフタもないことが書かれています。
「上昇相場のときは黙っていても利益が出ます。問題は・・・・」とい
う部分です。
これって証券会社の広告です。証券会社って、基本的には株をお客さん
に買ってもらって、その手数料で稼いでいます。
なので、株を買ったら、儲かりますよ。とお客さんに伝えるのが、商売の
基本です。法律で、儲かるとはいえないのですが、ホントの所はそういうこ
とになります。
だから、相場が上昇して、儲かった人が多いときは、証券会社は自然にもう
かるのです。
この広告、そのあたりをストレートにいってしまっています。でも、株式ア
ドバイザーとして、お客様本位のサービスを続けるというのがこの会社のよう
です。
カンタンに言えば、株式は儲かりときもあれば、儲からないときもあります。
損をすることもあります。でも、損するときは、最小限になるようアドバイス
します。
みたいなことを、伝えているのですね。
あまり景気のいい話ではありませんね。でも、こういうスタンスの会社は
一定のお客さんをひきつけると思います。
たとえば、いままでけっこう株取引もやってきたけれど、いままでの証券
会社のやり方に疑問をもっている。でも、株取引をやめてしまおうとは思わ
ない。
そういう、お客さんです。一言で言えば、「成熟した」お客さんには、求
められるし、こういう広告、キャッチフレーズのほうがピンとくるのですね。
これは、企業のスタンスをどうつらぬくか、ということでもあるし、いま
の市場の中で、どういう姿勢をとるかによって、こうこいうキャッチフレー
ズ、広告も有効なわけです。
ワザだけの問題ではないのです。いい広告、いいキャッチフレーズは、社
長さんが、お客さんをふくめた市場をどうとらえるかということに関わって
いるのです。
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今日の「つかみ」ポイント:
成熟したマーケットには、成熟したキャッチフレーズで。