■いい広告
(キャッチフレーズ)
わたしは、タカタです。
TAKATA
広告主:タカタ株式会社
掲載媒体:2005/1/26 日経新聞 朝刊
=================================
この広告。キャッチだけ見てもさっぱりわかりませんね。でも、シリー
ズで展開しているこの広告、それなりに印象に残っていませんか?
この広告シリーズの目的は、企業の知名度を上げ、さらに、企業のイメー
ジアップをすることがメインのようです。
もう少し、注意深く見ていると、「カーメーカーに安全システムを提供して
いる安全に強い会社」であることを訴えています。
そういう印象を持ってもらうと同時に、タカタという名前を覚えてもらうこ
とを目的とした広告のようです。
なんで、そうしているかなと、本文をよく読んでみると、「チャイルドシート」
につながっています。
ははあ、「チャイルドシート」を売り出したので、知名度アップと、品質を
訴えたいのだなということがわかります。
ただどちらかというと、企業イメージと知名度アップというほうがメインです。
企業イメージを印象づけるのだ、98%割ぐらいの感じです。
おそらく、この広告シリーズのメインの目的はそれです。
どちらにしても、この場合は、TAKATAのロゴがかなり重要な役割を
しています。濃い朱色と、白抜きのロゴ。これを、印象に残ります。
そして、もしチャイルドシートが必要な時、店頭にいったら、このロゴを
少し思い出すはずです。
そういうときに、この広告は、少しだけ、この会社のチャイルドシートを
選ぶ、自然な後押しになっています。
この広告は、これでいいのです。こういう目的です。
ただし、買う決定的な決め手にはなりません。それは、別の手もうたないと
いけません。そのあたりの違いを認識して使い分けるのが、賢いマーケッター
というものです。
会社の名前と安全志向を印象に残すという目的では、「わたしは、タカタです。」
というコピーと硬質なビジュアルがうまく機能しています。
ほんとうに、考え抜いた末に、ムダなものを省いた、キャッチフレーズになっ
ています。
★
今日の「つかみ」ポイント:
シンプルに訴えるのが、効果的なこともある。